プロパンガスボンベ等の撤去に関する法律

プロパンガスボンベ等の撤去には法律がある

液化石油ガス法の施行規則が改正され、LPガス容器や配管等を無断で取り外すことが禁止されました。

改正省令では、LPガス供給設備を取り外す際のLPガス販売事業者への事前連絡、液化石油ガス設備士による配管の取り外し、容器の安全な場所(販売店等)への保管などの規定が明確化され、LPガスへの知識・技能のない者による無断撤去が禁止されました。

安全対策を怠った場合は20万円以下の罰金、設備士以外が撤去工事を行った場合は3カ月以下の懲役または30万円以下の罰金に処せられます。

プロパンガスボンベ等ご自身で撤去するのは違法

プロパンガス設備の撤去は、【液化石油ガス設備士】の資格を持った人が行うことになっています。

ご自身で取り外そうとはしないで、今使っているガス会社に連絡して撤去をお願いして下さい。

プロパンガスボンベ等を撤去するには期間が決められている?

撤去の期間についてもまた法律で定められており、今使っているガス会社と新しいガス会社のどちらに対しても規定があります。

まずは新しいガス会社に対する内容を「液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律(液石法)施行規則」より抜粋いたします。

第16条十五の三 新たに一般消費者等に対し液化石油ガスを供給する場合において、当該一般消費者等に液化石油ガスを供給する他の液化石油ガス販売事業者の所有する供給設備が既に設置されているときは、一般消費者等から当該液化石油ガス販売事業者に対して液化石油ガス販売契約の解除の申し出があってから相当期間が経過するまでは、当該供給設備を撤去しないこと。

解釈、第15号の3中

「相当期間」については、供給設備を所有する液化石油ガス販売事業者の業務状況や一般消費者等との間の液化石油ガス料金等の精算手続のために必要な期間等を総合的に勘案し、原則として一週間を基準とする。 ~ 中略 ~ 他の液化石油ガス販売事業者が自らの判断により供給設備を一方的に撤去した場合には、第15号の3の規定に違反することになる。

このように、新しいガス会社は解約の申し込みがあってから1週間以上経ってからでないと、前のガス会社のガスボンベ等を撤去する事ができない事になっています。

それでは続いて、以下が変更前のガス会社に対する内容です。

第16条十六 一般消費者等から液化石油ガス販売契約の解除の申し出があった場合において、当該一般消費者等から要求があった場合には、液化石油ガス販売事業者はその所有する供給設備を遅滞なく撤去すること。

解釈、第16号中

「遅滞なく」とは、一般消費者等(契約の当事者)から要求があった場合には、その後、事情の許す限り最も早くとのことであり、当該販売事業者の業務状況に鑑み、合理的な期間内で撤去を行うべきとの趣旨である。具体的には、当該販売事業者は、原則として一週間以内にその所有する供給設備を撤去すべきである。

こちらも同じように、変更前のガス会社は、解除の申し込みがあってから特別な理由がない限り1週間以内に撤去しなければならないといった内容になっています。

どちらに対しても1週間の期間を設けている事から一般的に、「1週間ルール」と呼ばれています。

プロパンガスボンベ等撤去時の注意点

解約の連絡をしてから1週間ほどでガス会社が交換・撤去してくれますが、新しいガス会社が勝手に撤去してしまう事は法律違反になります。

また、自分で取り外したり、引っ越し業者に持って行ってもらうなどの場合でも違法行為となるため、新しいガス会社にどうすればいいのかを確認しましょう。

プロパンガス会社切替変更の流れ

プロパンガスの切替工事とは、今まで使っていたプロパンガス会社のガスボンベやガスメーター、調整器等を撤去して、新しいプロパンガス会社のものを設置する工事です。
ガス会社変更の流れ
  1. 新しいガス会社を決める
  2. 新しいガス会社へ申込書や委任状を提出
  3. 新しいガス会社と変更の日程を決める
  4. 新しいガス会社から、今のガス会社に解約の連絡をしてもらう
  5. 切替の日にボンベとメーターを新しいガス会社の物と交換する

基本的には新規申し込みをした後、新しいプロパンガス会社が現在利用中のプロパンガス会社のガスボンベとガスメーター、圧力調整器を撤去し、自分たちの設備に差し替える工事(切替工事)を行います。

閉栓と開栓を同時に行うので、ガスはその日に利用できます。

プロパンガス会社変更は委任状の提出だけでOK

委任状は今のガス会社と変更に関する必要なやり取りを行う事を、新しいガス会社に任せる(委任する)書類になります。委任状や申込書を提出するだけで、その後の作業は新しいガス会社が行えるようになり、変更当日にかかる時間はだいたい30分~1時間程度です。問題なくガスが使えるかどうか点検があるので、立ち会いが必要です。

プロパンガス会社を変更するほとんどの場合、この切り替え作業は新しいガス会社が無料で行ってくれます。新しいガス会社が今使っているガス会社のボンベとガスメーター等を撤去し、新しいガス会社のものに交換します。閉栓と開栓を同時に行えるので、作業が完了すればすぐに使えるようになります。今のガス会社との連絡も新しいガス会社が行いますので、こちら側からは何もする必要がありません。

プロパンガスボンベ等撤去には費用がかかるのか?

プロパンガス設備は供給設備と消費設備の2つに分かれていて、点検維持管理責任がガス会社と消費者に分かれます。

ガス会社が所有しているのが、建物外のガスの配管、ボンベ、メーター、圧力調整器の供給設備。

利用者の所有物は建物内ガス配管、給湯器とガスコンロ、ボイラー等の消費設備となっており、ガス会社の変更・解約時には、今のガス会社が所有している供給設備を撤去することになります。撤去に費用がかかるかどうかは、ガス会社や契約によって異なります。

プロパンガスボンベ等撤去費はどのくらいかかるの?

撤去費はだいたい15,000円~20,000円、これより高いところもあるようですが、使用状況で価格が変わる事もあります。

プロパンガス料金のように全国で決まっているわけではなく、ガス会社によって異なり、また地域によって変わる事もあるので、現在使用中のガス会社に確認するのが確実です。

変更に費用がかかると思っていなかったとすれば、払いたくないものですよね。契約書に撤去費の事が書いてあってもその金額の記載はなく、解約時に高額な撤去費を請求してくる悪徳なガス会社も存在しています。

さらには契約書に撤去費がかかる事すら書かれていないのにも関わらず、料金を請求される場合もあるようです。金額の記載もなく、費用がかかる事も書いていなければ、請求されても支払わなくても問題ありません。契約内容はよく確認しておく事が必要です。

MEMO
変更ではなく、引越等で使用しなくなる理由で撤去してもらう場合にも、ガスボンベやガスメーターの撤去費用を支払う必要があるのか、事前にガス会社に確認しておきましょう。

料金未払いでプロパンガスボンベを撤去される

ガス代金の支払いを2カ月以上してない場合などに、「○月×日までにガスを停止します」といった内容の手紙が届きます。

口座引落が出来なかった、またはカードでの支払いが出来ていなかった場合などに、契約に基づき送付されます。

支払い用紙が同封されていますが、そちらに記載された期限内に支払わないと、ガス会社によってはガスボンベを回収するところもあります。

まとめ

今回は主にガス会社の変更切替時についての説明をしてきました。契約中のプロパンガス会社の変更、またはこれから新しく住む家のプロパンガス会社の切替変更手続きは、新たに契約するガス会社へ委任状を提出すれば、その後の手続きは新しいガス会社が代行して手配をしてくれます。ご自身で切替変更の連絡をする必要はありません。

書類を提出し、切替日を決めて立ち会うだけで良いのす。

  • 元のガス会社のガス供給設備(ガスボンベ、ガスメーター、圧力調整器)を撤去
  • これらの供給設備は元のガス会社の所有物になり、撤去後は元のガス会社に返却されます。
  • 新しいガス会社がガス供給設備(ガスボンベ、ガスメーター、圧力調整器)を設置
  • 点火テストで異常がないか確認して完了です。

撤去作業は変更後のガス会社が行う事もあれば、元のガス会社が行う場合もあります。

ガスメーターとガスボンベ・調整器等、ガス会社の所有物は基本的には消費者が費用を支払う義務はなく、プロパンガスを解約する場合の作業は、新しいガス会社が代わりに無料で行ってくれます。変更前のガス会社によっては、契約書に設備の撤去費が発生すると記載があるので、念のため確認しておいて下さい。

契約書等に記載があれば、法的に支払う必要があるかもしれません。

最後に

※最近ではこういったプロパンガス業界の普段あまり聞く事がない部分を説明してくれる相談センターも発足されています。どこに聞けば良いのか分からない方は、プロパンガス消費者生活センターへ一度相談してみる事をおすすめします。

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