プロパンガス給湯器とは? 交換/購入 特長と節約術を知る

プロパンガス 給湯器

日常生活では、仕事に追われる育児に追われるなど、わたしたちは普段忙しいく日々をすごしています。そのような忙しさの中で、ほっとできる暮らしの瞬間が、お風呂に入ってゆったりする時間ではないでしょうか。そのような暮らしを支える器具が、給湯器(きゅうとうき)です。

プロパンガス給湯器の基礎知識と給湯方法

水を温かいお湯に変える給湯器

普段、当たり前のように使っている水道水ですが、これを温かいお湯に変えてくれるものが、給湯器です。給湯器の種類は、ガス給湯器電気給湯器石油給湯器と、熱源によって種類が分かれます。種類を表1で紹介します。

表1 給湯器の比較
ガス給湯器
熱源 ガスはプロパンガス用と
都市ガス用があります。
特徴
  • 瞬間式に水が加熱されます。
  • 設置する場所が小さい。
  • 安価です。
価格
  • 価格:10~30万円
  • 設置費用:4~6万円
  • 耐用年数:10年
電気給湯器
熱源
  • 温水器式(電気)
  • ヒートポンプ式(空気熱と電気)
特徴
  • タンクにお湯を貯めておきます。
  • 夜間にお湯を作るため電気料金が安い。
  • CO2を出さない。
  • 貯湯タンクの設置スペースが必要です。
  • 温水器式の方が、電気代が大きい
価格
  • 価格:40~70万円
  • 設置費用:25~45万円
  • 耐用年数:15年
石油給湯器
熱源 一般家庭では灯油が使われますが、
業務用では重油ボイラーがあります。
特徴
  • 灯油タンクの設置スペースが必要です。
  • 灯油タンクへの給油が手間でしょう。
価格
  • 価格:10~30万円
  • 設置費用:4~6万円
  • 耐用年数:10年
販売価格

販売価格

※給湯器の価格は小売希望価格を示していますが、販売業者によっては5割値引きなどがあって、販売価格は大きく変動する場合があります。いろいろと調べれば、安く設置することが可能です。

プロパンガス給湯器のサイズや種類

給湯器の種類とサイズ

プロパンガス給湯器は、ガス給湯器電気給湯器ガスふろがま、の3種類に分かれます。種類を表2に紹介します。

表2 ガス給湯器の種類
ガス給湯器
特徴
  • 給湯器から、台所、洗面、ふろへは給湯栓でお湯を供給します。
  • 小型から大型までの給湯能力があります。
※図1-1参照
電気給湯器
特徴
  • 給湯器から、台所、洗面、ふろへお湯を供給します。
  • ふろのお湯はり、おいだき、保温まで全自動で行うフルオート機能付きです。
  • 比較的大型向け。
※図1-2参照
ガスふろがま
特徴
  • 浴槽に水をはり、沸かします。おいだきもできます。
MEMO
※給湯器の種類には、給湯機能の他に、暖房用乾燥熱源が加わったタイプもあります。

給湯器の給湯能力は、「号数」として表されます。この号数とは、「水温+25℃」のお湯を1分間に出すことができる能力を示します。給湯器のサイズを表3で紹介します。 それぞれのサイズの給湯器がお湯を出す量を、「通常」と「冬場」の2通りで表していますが、これは、42℃のお湯を出すとした場合の給湯量です。

表3 給湯器のサイズ
通常
(水温17℃)
冬場
(水温5℃)
適用
10号
10 ℓ/分 6.8 ℓ/分 1人暮らし向け。
16号
16 ℓ/分 10.9 ℓ/分 1~2人家族向け。
1年中パワフルシャワーが利用できます。
20号
20 ℓ/分 13.6 ℓ/分 2~3人家族向け。
冬を除く3シーズンに、水栓2か所で同時使用ができます。
24号
24 ℓ/分 16.3ℓ/分 4~5人家族向け。
1年中、シャワーと水栓2か所で同時使用ができます。
28号
28 ℓ/分 19.0 ℓ/分 大家族向け。
1年中、シャワーと水栓2か所で同時使用ができます。
  • 1MJ=239kcal=0.278kWh
  • 1kWh=(239/0.278) kcal=860kcal

エコジョーズってなに!?

効率アップで省エネに取り組んだ商品

エコジョーズ とは、ガス給湯器の効率を上げて省エネに取り組んだ商品です。社団法人日本ガス石油機器工業会と日本ガス体エネルギー普及促進協議会が、2013年までにエコジョーズを普及させるとした宣言に基づき、今ではガス給湯器はすべてエコジョーズが販売されています。

エコジョーズと従来品の比較を、図2で紹介しましょう。

熱量の95%がお湯に変わるのに貢献

図2-1で描いた通常のガス給湯器は、ガスで燃焼した熱量で水が加熱され、お湯として給湯されます。 これに対して、図2-2で描くエコジョーズは、燃焼したガスの排熱を二次熱交換器で再加熱し、給湯します。 従来品のガス給湯器では、ガスが燃焼した熱量の80%がお湯に変わるのに貢献し、20%が排熱として外に出ていきます。 エコジョーズでは、ガスが燃焼した熱量の95%がお湯に変わるのに貢献し、外部に排気される熱量は、ほんの5%にまで下げられます。

これが、ガスの消費にどう影響するか見てみましょう。

節約料金

節約料金

お風呂だけで、年間 7,560 円もお得!

ふろを沸かし、炊事に使うお湯などのために、プロパンガスを一日使っているとします。200リットルのふろの水を、13℃から42℃に上げるために必要な熱量は、 ※全国平均水温13度で200Lの水を1度上昇させるのに200kcal必要です。42度まで沸かす場合と考えます。

200(ℓ)×(42-13)(℃)×1(kcal)=5,800(kcal)

です。この熱量を出すプロパンガスの量は、プロパンガスの熱量が、24,000kcal/1m3 であることから、

5,800/24,000=0.24 m3

です。通常のガス給湯器では、効率が80 %でありますので、実際に使うガスの量は、

0.24÷0.80=0.30 m3

のプロパンガスが必要になります。この金額は、0.30×450円=135円 です。

これに対しエコジョーズの給湯器を使用すると、効率が95 %になりますので、

200(ℓ)×(42-13)(℃)×1(kcal)=5,800(kcal)
0.24÷0.95=0.25 m3 のプロパンガスで済みます。この金額は、0.25×450円=114円 です。

すなわち、エコジョーズ給湯器を使うと、1日あたり、

135-114=21円
お得になるということです。 200リットルのふろを毎日沸かし続けるとして、1ヶ月では、21円×30日=630円 得します。年間では 7,560円 も節約になるので!

なお、ここで、プロパンガスの料金を450円/m3 としていますが、この金額は、地域や販売会社により幅があります。

プロパンガス給湯器の1ヶ月の料金をみてみよう

実際に計算してみよう

4人家族 410 (ℓ/日)

ガス給湯器を使ってどのくらいの出費になるか、1ヶ月のガス料金を計算してみましょう。
まずは給湯器を使う前提条件です。この計算の前提として4人家族の住宅として、給湯器のサイズは24号とします。20号や16号を使っても、ガス料金に影響することはありません。

ただし、シャワー、お風呂わかし、炊事などを同時に使用すると、サイズが小さいとお湯の出が悪くなるなど、不満が出る可能性があります。では、実際に計算してみましょう。

時期は冬場、水温は5℃、洗い物はお湯を使い、洗面もお湯を使います。4人家族で、ふろは毎日沸かします。プロパンガス給湯器の型式は、24号のエコジョーズとします。

お湯を沸かす量

炊事:6(ℓ/分)×5(分)×3回=90 (ℓ)
  * 蛇口を30°回して使用と仮定

洗面:6(ℓ/分)×1(分)×4人=24 (ℓ)

ふろ:200(ℓ)

シャワー:8(ℓ/分)×3分×4人=96 (ℓ)
*シャワーの水量規制が日本では8.5 (ℓ/分)から算出

一日に使用する給湯量は、410 (ℓ/日)、となります。

冬場にお湯を沸かす前提として、水温5℃を42℃まで加熱すると考えます。
410 (ℓ)の水を、42℃-5℃=37℃、加熱するために必要な熱量は、1 (ℓ)の水を1℃上げるために必要な熱量は、1kcalですので、 410(ℓ)×37(℃)×1(kcal)=15,170 kcal
の熱量が必要になります。
プロパンガスの熱量は、24,000kcal/m3 ですので、410(ℓ)の水を沸かすために必要なプロパンガスの体積量は、 15,170÷24,000=0.63 m3 となり、約1 m3 のプロパンガスが給湯のために使われます。

冬場 月 8,910円

エコジョーズ給湯器を使えば、効率が95%になりますので、
0.63÷0.95=0.66 m3
の使用量となります。プロパンガスの単価を450円/m3 としますと、1ヶ月に給湯のために掛かる経費は、
0.66(m3)×450円×30日=8,910円
となります。

ガス料金は、基本料金が加わりますが、ここでは基本料金は省きました。なお、プロパンガスが使われる割合は給湯に70%近く使われるという統計もありますので、基本料金を加えた方が、リーズナブルかもしれません。

春場と秋場 月 5,970円

参考のために、春場と秋場に同じ条件で使ったらどうなるか、見てみましょう。
春場の水温は17℃と仮定しますので、冬場の水温5℃の差から、
(42℃-17℃)÷(42℃-5℃)=0.67
すなわち、6.7割程度のガス量で済みます。1ヶ月のプロパンガス料金は、
8,910円×0.67=5,970円
となります。

さらに、夏場となると、水温が22℃くらいになりますし、シャワーも炊事も水でよいかもしれません。極端なことを言えば、夏場は、ゼロ円かもしれませんね。

プロパンガス給湯器とその他給湯器のコスト比較

電気給湯器エコキュートの1ヶ月の燃費と電気代

電気給湯器には、大きく分けると、電気温水器とエコキュートに分けられます。いずれも貯湯タンクにお湯を溜める形式です。電気温水器はヒーターで水を加熱するのに対し、エコキュートはヒートポンプを使って空気を圧縮して熱を取り出し、お湯を作ります。しかも、エコキュートがお湯を作る時間帯は夜間に限りますので、電力料金が安く済みます。エコキュートはタンクにお湯を90℃で作って溜めておき、それを炊事やお風呂に使うシステムです。

以下では、エコキュートのランニングコストを見てみましょう。三菱電機のエコキュートの主な仕様を表4で紹介します。

表4 エコキュート仕様
仕様 型式1 型式2
沸き上げ温度範囲 65℃~90℃
冬期高温沸き上げ温度 90℃
設置可能最低外気温度 -10℃
中間期標準加熱能力
/消費電力 *3
4.5kW
/0.95kW
6.0kW
/1.30kW
冬期高温加熱能力
/消費電力 *4
4.5kW
/1.50kW
6.0kW
/2.00kW
タンク容量 370L 460L

*3 作動条件:外気温16/12℃、水温17℃、沸上げ温度65℃
*4 作動条件:外気温7/6℃、水温9℃、沸上げ温度90℃

エコキュートの表から計算します。ここで、タンクの容量は、4人家族用として460Lを選定します。
冬場では、水温5℃から90℃までタンクのお湯を沸き上げます。エコキュートはタンク満杯までお湯を貯めることはありません。タンクに貯まった90℃のお湯と、5℃の水が調合されて、42℃のお湯として給湯されます。給湯の量を、先ほどガス給湯器で出した量と同じ410 ℓとして計算を進めてみます。
そうすると、タンクに貯まった90℃のお湯の量は178 ℓとなります。この温度まで上げるために必要な熱量は、
178(ℓ)×(90-5)(℃)×1(kcal)=15,130 kcal です。この熱量を電力量に換算すると、
15,130(加熱能力)÷860(kcal/kW )=17.5 kW
となります。冬期高温加熱能力は、4.5kWですので、90℃までタンクのお湯を沸き上げる時間は、
17.5/4.5=3.9時間
消費電力は、1.50kW×3.9時間=5.86kWh
電気の深夜料金は、ほぼ12円として、1日の電気料金は、
5.86×12=70円
となります。1ヶ月では、
70円×30日=2100円
です。ここでは、タンクに貯まる量を178 ℓ と仮定しましたが、実際は、エコキュートの設定などでさらに多い量が貯えられると思いますが、それでも電気料金は1割程度多くなるだけでしょう。

灯油ボイラーの燃費と電気代

ガス給湯器や、電気給湯器に比べて、石油ボイラーを使用したときの燃料費がどれほどかかるかを計算してみましょう。一日に使うお湯の量は、ガス給湯器で計算した前提で考えてみます。

お湯の使用量は1日当たり、410 ℓ と仮定しました。また、水温5℃の水を42℃に沸かすとしましたので、15,170 kcalの熱量が必要になります。
灯油の熱量は、1リットル当たり、8,843kcal ですので、
15,170÷8,843=1.72リットル
の灯油の量が1日あたり必要です。 灯油の給湯器も、ガス給湯器のエコジョーズと同じようにエコフィールがあり、効率が83%から95%にすることができます。 ここでは、エコフィールを使用したとしますと、
1.72÷0.95=1.81リットル
の灯油を必要とします。4月の灯油の価格は、資源エネルギー庁の給油所小売価格調査から、リッター当たり90円程度ですので、1日当たりの燃料費は、
1.81×90=163円
1ヶ月では、
163×30=4,890円
です。

​プロパンガス/電気/灯油 各給湯器のコスト比較

これまでに、プロパンガス、電気、灯油の給湯器にかかる1ヶ月の料金を見てきましたが、これらをまとめて表5で紹介します。

表5 給湯器に掛かる料金比較
プロパンガス
給湯器
(エコジョーズ)
電気給湯器
(エコキュート)
灯油給湯器
(エコフィール)
1ヶ月の料金(冬場 1ヶ月)
8,910 2,100 4,890
1ヶ月の料金(春・秋 1ヶ月)
5,970 1,410 3,280
1ヶ月の料金(夏1ヶ月)
1,800 420 980
1年の料金
68,000 16,000 37,300
給湯器価格
10~30 万円 40~70 万円 10~30 万円
設置費用
4~6 万円 25~45 万円 4~6 万円

*夏場は、水温が上がり設定温度も低くでき、使うお湯の量も半分として考え、春・秋の3割の料金として計算しています。

知ってるだけで得をする!プロパンガス給湯節約レシピ5選!

【レシピ<1>】設定温度と湯量の調整

節約術

節約術

風呂の設定温度を下げて、沸かすお湯の量も減らす!

設定を2℃変え、お湯の量を1割減らすと、月に約500円節約できます。

春にふろ42℃設定を40℃設定に変え、沸かす量も1割減らすとします。水温を17℃としてみると、42℃設定のときの料金は、
(42-17)×200÷24,000×450=94円
40℃設定を変え、お湯の量を減らすと、
(40-17)×180÷24,000×450=77円
合計で1日16円節約でき、1ヶ月では、490円の節約になります。

【レシピ<2>】冷めないうちに入る

節約術

節約術

風呂を沸かしたら冷めないうちに順に入る

ふろの設定をオートにしておくと、ふろが冷めると追いだきを自動で行います。レシピ1の計算で紹介したように、温度を1℃変えることで節約ができます。
家族全員が、ふろの温度が低下しないうちに順番に入っていけば、追いだきの回数がへり、それだけ節約ができるというものです。

【レシピ<3>】電源を一旦止める

節約術

節約術

風呂を沸かしてすぐに入れなくなったら電源を落として、入るときに追いだきする

ふろが冷めると追いだきを自動で行います。3時間ほど入らなければ、42℃設定なら、
「湯温下がる→追いだきして42℃まで上げる→湯温下がる→追いだきして42℃まで上げる」 が繰り返され、その間、むだなガスが使われます。これを、電源はいったん止めて、3時間後入るときに追いだきすれば、少々寒いかもしれませんが、1回の追いだきで済み、ガスの節約ができます。

【レシピ<4>】ガス料金から考える

節約術

節約術

設定温度を下げる、給水温度を上げる、給湯量を減らす!

これまで節約術を見てきましたが、ガス代金を節約することは、すべてガス料金の計算がもとになっています。計算式をおさらいしてみましょう。

ガス料金=(設定温度-給水温度)×使う給湯量÷ガスの熱量(24000kcal)×ガス従量金(450円)

この計算式から、ガス料金を下げるためには、

・ガス給湯器の設定温度を下げる

・給水温度を上げる

… 例えば、ふろに蓋をしてふろ温度を下げないようにすれば、追い焚きのときガス量が節約できます。

・使う給湯量を少なくする

などの節約術が考えられます。他にもいろいろあるでしょう。

【レシピ<5>】プロパンガスの会社を見直す

節約術

節約術

プロパンガスの会社を見直してガスの単価を下げる!

究極のガスの節約術は、ガスの単価を下げることでしょう。

プロパンガスは販売業者によって異なります。これまで計算してきたガス単価は1m3 あたり450円です。しかし、例えば、適正価格を主張して販売を行う業者では、250円/1m3 で販売するところもあります。 ガス器具のメンテナンスなどのサービスがこれまでと同じかなどチェックして、ガス会社変更の検討もガス節約術の1つです。

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まとめ

ガス給湯器について、種類、金額、そして1ヶ月におよそどれだけのガス料金がかかるか見てきました。さらに、同じ給湯器の、電気型、石油型のものと比較してきました。どの給湯器を使うかは、ライフスタイルに大きく影響されますので、ご自身のライフスタイルに照らし合わせて検討されるのが、ベストです。

また、ガス給湯器の節約術についても触れましたが、お風呂の量を減らすということだけでは、それほど大きな節約になりません。設定温度を下げる、こまめにお風呂のふたをするなど、節約術を積み重ねることで、ガス料金の大きな節約になるのではないでしょうか。

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