エネファーム・エコワン・ エコフィール【省エネガス給湯器比較】

エネファーム、エコフィール、エコワン(ハイブリッド給湯器)以前は給湯設備として、ガス、電気、灯油などを駆動源としていろいろな商品が販売されていました。65%という当たり前の燃焼効率を95%までに引き上げて燃料を大幅に節約する商品がどの機種でも開発されました。

今では、給湯設備はキッチン、洗面所、風呂やシャワーという使い方だけでなく、床暖房やパネル暖房給水といった暖房設備も合わせた給湯設備へと進化しています。しかも高効率の向上を遂げて家庭の光熱費の削減に寄与しています。

給湯設備には多くの種類がありますが、このコラムでは、エネファーム、エコフィール、エコワン(ハイブリッド給湯器)の3点についてご紹介します。

エネファームとは

給湯器や暖房設備だけでなく電気も供給

エネファームは、ガス(都市ガス、プロパンガス)から、給湯器や暖房設備のお湯を作る上に、家庭で使う電気の一部も供給できるシステムです。
図1にその概要を紹介します。

(1) エネファームとは

エネファームは次のような機能を持っています。箇条書きでまとめましたので確認してみてください!

エネファームの特徴!!
  1. エネファームは、燃料電池ユニットと貯湯ユニットで構成されています。
  2. 燃料電池ユニットには都市ガスまたはプロパンガスが供給されます。
  3. 供給するガスから水素成分を抜き出し、燃料電池ユニット内で空気の酸素成分と化学反応を起こします。
  4. 燃料電池ユニット内での化学反応によって熱と電気が発生します。
  5. 発生した熱を使ってお湯を沸かし貯湯ユニット内にお湯を蓄積します。
  6. お湯が不足すれば給水を加熱し必要なお湯を作ることができます。
  7. 発生した電気は家庭のテレビや家電製品の電気の一部として働きます。
    (電気の一部としたのは、発電電力系には、東電など電力会社から電気が供給されていて、その一部を足し合わせるという意味です。もちろん、設置コストを無視すれば、大規模な燃料電池ユニットを設置することで、家庭での電気を全部まかなうことも可能です。)
  8. 貯湯ユニットに貯められたお湯で給湯器への給湯を行います。
  9. 貯湯ユニットに貯められたお湯で、給水型式の暖房設備へのお湯の供給を行います。

(2) エネファームの暖房機能

エネファームの暖房機能が働く暖房設備は次のようなものです。

エネファームの暖房機能
  • パネルヒーター
  • 温水ルームヒーター
  • 浴室暖房乾燥機
  • 床暖房

エネファームの主な仕様と特徴

エネファーム
原理 燃料電池
駆動力 ガス
給湯 お風呂+ 暖房器具
発電 有り
価格 (+設置工事) 250万円
設置 貯湯タンクと蓄電器の設置が必要です。 さらに、既存の(例えば東京電力)電力システムとの保護協調など複雑なシステムが必要です。
停電時 燃料電池で作った電気で必要な家電機器を動かせます。
耐用年数 20年
ガス停止時 停止
(プロパンガスであればボンベ容量分稼働)
その他
注意点
貯湯タンクがいっぱいで給湯できないときは、発電も停止します。

エコフィールとは

エコフィールは灯油ボイラー

エコフィールとは、灯油を燃やしてできた排出熱を利用してお湯を沸かしたり暖房器具を稼働させる省エネ型給湯機器です。従来の灯油ボイラーよりも熱効率をアップさせることにより、より省エネ性能が向上しています!

(1) エコフィールの特徴まとめ

エネファームの特徴!!
  1. エコフィールは、簡単に言ってしまうと灯油ボイラーです。
  2. エコフィールの機能は、給水の水を通し、灯油を燃焼した熱でお湯に変えて給湯することです。
  3. 給水がエコフィール内に入ると、初めに灯油を燃焼した廃熱管内通って一次加熱されます。
  4. 一次加熱された給水は、灯油の燃焼熱でさらに過熱されます。
  5. エコフィールの注目点はその熱効率です。
  6. 給水は単に灯油だけで燃焼するのではなく、灯油を燃焼した廃熱を利用し、まずその廃熱で給水を加熱します。
  7. 加熱した給水は、燃焼する灯油によってさらに過熱され、給湯されます。
  8. 従来の灯油ボイラーの廃熱は、200℃でしたが、エコフィールでは、60℃まで下がっています。
  9. 熱効率は従来の85%から、95%にまで高効率化できています。
  10. これを消費する灯油量に換算すると、年間80リットルの灯油が節約できることになります。(節約量は外気温度により異なります。ここでは18℃と想定しています。)
  11. 灯油の価格は、2020年8月で1460円/18リットルですので、6500円/年間の節約費用になります。

(2) 暖房設備専用としてのエコフィール

エコフィールは給湯設備としてだけでなく、暖房設備専用のボイラーとしても働きます。
仕組みは図2と同様ですが、給水が暖房設備からの戻り水となり、それを再加熱して暖房設備に導くという仕組みです。

(3) エコフィールの特徴的機能

  • 風呂タイマー機能により長時間入浴事故を防止します。(1年で5400円という試算あり)
  • ECO機能により水と灯油を節約します。
  • 騒音値を低減させています。
  • 給湯方式に直動式と減圧式があり、2階にお湯を供給しないときは、減圧式を選ぶことで価格が安くなります。

エコフィールの主な仕様と特徴

エコフィール
原理 灯油ボイラー
駆動力 灯油
給湯 お風呂+ 暖房器具
発電 無し
価格
(+設置工事)
40万円
設置 給油タンクの設置が必要です。
停電時 電気で動かすため、停止します。
耐用年数 15年
(設置環境で数年短い)
ガス停止時 問題なし
その他
注意点
灯油タンクの設置が必要です。
石油給湯器といえばエコフィール【解説】

ECO ONE(エコワン)ハイブリッド給湯器とは

エコワンはハイブリッド給湯器

エコワンとは、リンナイやノーリツが販売しているハイブリッド給湯器です。電気とガスを組み合わせた給湯システムで、それぞれのよいところを活用しようとする仕組みを持っています。ハイブリッド給湯器は、給湯だけでなくガス温水暖房機器全般もエコにしてくれます。

エコワンは50〜60%近くガス代を節約

できると言われています。

実際の仕組みを見てみましょう。

エコワンのガス給湯器のない給湯器は、かつて、エコキュートとして電気で給湯する給湯器として販売されていました。
エコキュートはヒートポンプを電気で駆動し、お湯を沸かすシステムで、電熱器だけでお湯を沸かす電気量に比べて、3倍近い電気代の節約が可能でした。

しかし、エコキュートでは、次の問題がありました。

  • 夜間の電気代の安い期間にお湯を作るため、それ以外の時間帯にお湯を追加しようとすると高い電気代が掛かる
  • お風呂のお湯の給湯だけでなく、暖房設備にも給湯するためには、電気代の高い昼間でもヒートポンプを動かす必要がある

上記のような問題を解決した製品がECO ONE(エコワン)ハイブリッド給湯器と言えるでしょう。

(1) エコワン(ECO ONE)の特徴まとめ

エネファームの特徴!!
  1. ヒートポンプと貯湯ユニット、さらにガス給湯器で構成されています。
  2. ヒートポンプに供給された電気でお湯を沸かします。
  3. ヒートポンプに電気が供給されると、ヒートポンプは熱を発生し、貯湯タンクからの水をお湯に変えてタンクに貯めます。
  4. ガス給湯器は、足りなくなったお湯や冷めたお湯を瞬時に再加熱し供給します。
  5. ヒートポンプは従量電灯という時間に関係なく単価が変わらない料金体系を使います。
  6. 貯湯タンクの容量が小さくなり、タンクの熱が逃げるロスを解消できるようになったため、電気代が節約できます。
  7. エコワンがお湯を作るときの温度は、40~60℃です。使うときに高い温度のお湯が必要であれば、エコジョーズで瞬時に温度を上げて供給します。
  8. ヒートポンプの効率が高効率となっているため、必要電気量が少なくて済みます。
  9. 電気でお湯を作る時間帯以外に給湯が必要で、貯湯タンクの容量が少ないときは、ガス給湯器を使ってお湯を作ります。
  10. ガス給湯器はエコジョーズ(省エネタイプ)を使うため、ガスの無駄が生じません。

(2) エコワンの暖房機能

  • エコワンからの暖房高温用のお湯は浴室暖房乾燥機に利用可能
  • エコワンからの暖房低温用のお湯は床暖房などに利用可能

エコワンの主な仕様と特徴

エコワン
(ハイブリッド給湯器)
原理 電気式給湯器
駆動力 電気+ガス
給湯 お風呂+暖房器具
発電 無し
価格
(+設置工事)
100万円(160リットル貯湯型)
設置 貯湯タンクとヒートポンプの設置が必要です。
停電時 ガスで給湯できますが、エコジョーズが電気無しでも動くという前提です。
耐用年数 10年
ガス停止時 ヒートポンプのみで給湯できます。
その他
注意点
–

ランニングコストを比較!

エネファーム、エコワンは条件が複雑に絡むため、ランニングコストを算出することは、簡単にはできません。
ここでは、メーカーがシミュレーション用に公開しているソフトを使って、ランニングコストを算出してみます。
興味ある方は、参考サイトでご自身の環境に合った条件で算出されてはどうでしょうか。

エコワン

エネファーム

エコフィール

価格帯

3つの給湯・暖房機について価格帯を紹介します。

エネファーム エコフィール エコワン
(ハイブリッド給湯器)
160Lタイプ給湯・暖房 停電時自立発電機能付き
発電出力50~700W
排熱出力114~428W
タンク容量25L
水道直圧式
フルオート
外装ステンレス製
価格(円) 820,000円 価格(円) 2,062,500円 価格(円) 405,200円
100Lタイプ給湯・暖房 停電時自立発電機能なし 水道直圧式
オート
外装鋼板
価格(円) 780,000円 価格(円) 1,897,500円 価格(円) 360,200円
50Lタイプ給湯・暖房 – 水道直圧式
給湯専用機
外装ステンレス製
価格(円) 690,000円 – – 価格(円) 266,000円

なお、各機種ともメーカー名はあえて出しませんが、価格帯はほぼ同じと見てください。
さらに、年代が少し古くなると、安い価格で販売するサイトが多数あり、新品にこだわらなければ、安く設置することが可能です。

まとめ

このコラムでは代表として3つの給湯・暖房設備について紹介してきました。もちろん、他にも多くのすぐれた給湯器があります。

どの給湯器についてもいえることは、

3つの共通点
  1. 風呂などへの給湯と暖房設備への給湯を考慮したシステムとしている。
  2. 高効率化をはかり、家庭でのランニングコストを節約しようとしている。
  3. リモコンなどオプション製品を最新の技術と融合し、使いやすい機器を追求している。

私たちの生活は、給湯と暖房が欠かせない生活様式になっています。メーカーもそれに答えるために、また他との競争もあるため、いろいろな技術を使いコストを抑えた良いものをユーザーに提供しています。

ユーザーとしては、常に、どのような給湯・暖房設備であっても、安くて、使いやすく、長持ちのする機器を求めていきたいものです。

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