電力の値上げの理由を徹底解説!

電力の値上げの理由を徹底解説!

毎月、電気代、ガス代、水道代と請求書が来ます。今月はどうなのかな、と思ってみることでしょう。
その中で、電気代が、少しですが高い料金を請求されています。季節も変わっていないから、先月と同じ電気量のはずがと思い、もっと節約が必要かなと思ったりします。

電気代の請求書を見ても、代金が増えたかどうかは見ますが、電気量や電気料金の詳細までは見ることは少ないのではないでしょうか。
でも実際は電気代が値上がりしているのです。電気料金の料金プランは変えていないし、契約金額の変更のお知らせもないので変わらないはずなのですが。

原油が高騰を続けていると聞きましたが、そのせいか、電気代も値上げを続けているそうです。月ごとに伝票で電気代を払っていますが、使う電気量はほとんど変わっていない、いやむしろ下がっているのですが、電気量を節約しても、節約分の電気量を超えた電気料金が、請求書には書かれています。

このように、価格が上がり続けるのはなぜでしょうか。
このコラムでは、高騰を続ける電気価格とその理由について紹介します。

1.電力値上げの理由

(1)電力料金の推移

電気料金がどのように変化しているか、まずは、その実態を統計データから見てみましょう。
図1では、電気料金のここ2年間の月ごとに、一般の消費者が支払う金額の平均グラフを紹介します。

*図1、図2のデータは、総務省統計局の統計データベースから、必要なデータを参照しています。データベースが非常に膨大であるため、必要データのみ摘出し、図のグラフを作成しています。(参考:https://www.stat.go.jp/data/index.html)

図1では、2020年1月から2022年3月までの、月ごとの電気料金の推移を表しています。
2021年11月ごろから電気料金が増え続けています。これからも上昇するという傾向も見て取れます。

一般家庭での年間に発生する費用の値上げは、電気料金に限られるのでしょうか。
年間の費用割合平均を図2で紹介しましょう。

図2では、電気代以外の生活に必要な物資の項目と割合が示されています。
I年間の総経費は、約335万円です。そのうち電気は全体の4%ですね。

実は、電気代以外の生活物資の項目のいくつかを図1のようにグラフで表すと、最近値上がりが続いていて、その上がり方は図1で紹介した電気代の上昇の仕方に似ています。
「物」の価格は、電気の価格に連動しているのでしょうか。

(2)「物」の価格が上がる理由

「物」の値段が上がるのはなぜでしょうか。図3に「物」ができて消費者に届くまでのイメージを紹介します。

図3を簡単に説明しましょう。
製造工場で製品を製造し、消費者へ届けるというイメージです。
製品を作るためには、部品A、Bを必要とし、それぞれの部品工場から取り寄せます。
この一連の製品を消費者へ届けるために、3つの工場、部品A工場・部品B工場・製品工場、で電力及び必要とする火力を消費します。また、部品や消費者へ届けるための配送トラックでも、燃料を消費します。

図3から分かるように、部品工場、製品工場では「物」を造るために、電力(製品によっては火力)を消費します。また、部品や製品を運ぶためには配送車が必要で、燃料を必要とします。
したがって、電力や原油の価格が上がると、それぞれの部品や輸送費が上がるため、消費者に届けられる「物」の値段も上がることになります。

このように、電力量料金や燃料費(ガソリンや軽油などの原油からできる石油製品)が必要で、電力や原油の価格が値上がりすると、物価の値上がりにつながります。

なお、原油からは石油精製する過程で、ガソリンなどの燃料と同じように、化学材料の元となるナフサが、作られます。ナフサは、石油化学工場で、産業の製品のほとんどに部品として供給・加工されるため、「物」の価格が上がる要因となります。

2.電力料金の値上げ

1世帯の平均年間エネルギー消費量のうち、電気の平均消費量は4,322kWh/年で、これは、360kWh/月ということになります。
参照は、「環境省 家庭でのエネルギー消費量 」からです。
(参考:https://www.env.go.jp/earth/ondanka/kateico2tokei/2017/result3/detail1/index.html) ※ここでは日本の平均、リットルとなっています。

最近の電気料金は月ごとに少しずつ増えています。その理由を考えてみましょう。

(1)月ごとに増えている理由

電気料金は、毎月徴収されます。
電力会社や料金プランによって変化はありますが、基本は同じです。
電気料金は図4のような体系で請求されます。ここでは、30Aのブレーカを付け、従量制で月360kWh使用するとします。(東京電力スタンダードプランSを参考としています)

電気料金は、基本料金、電力量料金、燃料費調整、再生可能エネルギー発電促進賦課金の4項目で構成されています。

契約時に基本料金と電力量料金と再生可能エネルギー発電促進賦課金は決まっていますが、燃料費調整金は毎月変わってきます。
毎月の電気料金が安定しない理由は、燃料調整費の値上げのためです。
図5,図6では、その様子をご紹介します。

図5は2021年6月から1年間、月ごとの燃料費調整単価の推移を表した図です。
2022年1月まではマイナスとなって電気料金から引かれていますが、それ以降はプラスとなって徴収される方に転じ、月ごとに徴収料金が上昇しています。

図6は、1世帯毎月360kWhの電気を使った時に徴収される、燃料費調整費です。
2月に266円だった料金が、毎月増えて6月には1070円まで増えていることが分かります。
このまま原油価格が上昇すれば、電気料金も図5のグラフの延長で加算金が増えることになります。

燃料費調整費は、何によって変化するのでしょうか?

それは、原油価格です。

関西電力のホームページでは、次のように書かれています。
「電気料金のコストのうち、燃料費は経済情勢(為替レートや原油価格等)の影響を大きく受けることから、電力会社の経営効率化の成果を明確にするため、燃料費の変動を迅速に電気料金に反映させる制度です。」

燃料費調整単価の算定には、原油・LNG・石炭の3ヶ月間の貿易統計価格から、毎月の平均燃料価格を算定し、算定された実績と基準燃料価格との差分から、燃料費調整単価が決められます。

もちろん契約している従量制の電力料金(1kWh当たりの料金)も、毎年あるいは数年ごとに見直し改訂されます。原油価格の変動が大きければ、年ごとに変わる可能性があります。

(2)電力料金が高い理由

電気料金が上がる原因の1つが原油価格の上昇による、燃料費調整費の上昇ということが分かりました。そのほかの原因は何があるのでしょうか?

もう一つの要因は、原子力発電所が停止したことです。

2011年に日本に大規模な地震、東日本大震災が起きて、福島の原子力発電所が停止するとともに事故が起き、放射性部室が外に拡散しました。
そのために、日本中の原子力発電所が停止し、地震対策を行ったうえで、国の安全審査を通ることが条件となりました。また、原子力発電所稼働には、原子力発電所のある地域の許可が必要です。

電気量は1kWh あたり原子力発電所が10円に対し、火力発電が平均25円くらいですので、電気料金が上がるのは必然です。
電気料金が高い理由は、震災後の原子力発電所の停止と、原油を使う火力発電の稼働ということの結果です。

3.原油価格

(1)原油価格と電力価格が上がる理由

原油価格が上がると、なぜ電力料金も上がるのでしょうか?

その理由は、電気は原油を使って発電されて、消費者へ電気が配送されているからです。 そのため、原油価格が上がると、電力価格も上がるという仕組みです。

図7では、その仕組みをイメージ図でご紹介します。

図7を簡単に説明しましょう。

  1. 原油がタンカーで運ばれ、石油精製され、石油製品がつくられます。
  2. 石油製品の中で重油のような火力燃料がヒーターで燃やされ、ボイラーから蒸気を発生させます。
  3. ボイラーのヒーターへは原油由来の燃料の他に、LNGのようなガスも使われます。
  4. ボイラーから出た蒸気によって発電機が回り発電されます。
  5. 発電機からの電気を発電所で整備し、電気配線に送り、消費者へ電気が来ます。

このように、日本の電力は、原油やLNGガスの火力発電で、80%まかなわれています。
しかし、原子力発電所も多く存在していて、原子力発電所で発電することで、原油での発電を大幅に減らすことができます。
なお、LNGの価格は、原油価格に連動して決められる契約のため、原油価格が上がればLNG価格も上がります。

しかしながら、原子力発電所が停止したままの訳は、2011年に起きた東日本大震災によって、福島原子力発電所が事故を起こしたため、政治的、技術的問題のため多くの原子力発電所が再審査・稼働待ちの状態です。電気料金を比較すれば原子力発電所は約10円/1kWhで、火力発電は30円~40円/kWhです。

日本の発電では、これらの2つの他に、再生化エネルギーとして、太陽光発電、風力発電、などが電気を供給していますが、日本全体のエネルギーをまかなうには、規模が小さすぎ、また、曇った日や風がない日には発電できないという不安定要素もあり、さらに電気料金も21円/kWh~25円/kWhと、火力発電とさほど変わらないのが現状です。

再生化エネルギーの太陽光発電については、設置場所として広いエリアを要すること、5年ごとの設備更新への対応など、多くの問題を抱えていて、1つずつクリアしていかないと、日本の電力の主体となるにはまだまだ時間が掛かりそうです。

(2)原油価格の推移

原油価格の変動の様子を図6、図7でご紹介します。
図8では2017年から2021年までの年ごとの平均原油価格を表しています。
図9では、2021年3月~2022年3月までの、月ごとの平均原油価格を表しています。

図8から言えることで、2020年ごろに急に原油価格が急低下しています。
これはコロナショックによる低下で、その後持ち直し、原油価格が上がっていく様子が分かります。

図9では、原油価格が持ち直した後で、さらに原油価格が月ごとに上がっていく様子が分かります。

(3)原油価格が高騰する理由

原油価格が高騰する要因を挙げると、次の3つの要因が考えられます。

  1. 地球温暖化対応
    地球温暖化対応として、世界的に脱炭素の流れができて、原油などの化石燃料への投資が低くなったこと。
  2. 2020年のコロナショック後の再稼働
    2020年のコロナショック後に、主要国の景気が回復しはじめ、コロナショック時は停止していた設備が再稼働を始め、原油需要が増加したこと。

地球温暖化対応

コロナショックでは、全世界的な流行時には、都市封鎖などが行われ、生産活動が停止したことで、原油の需要が大きく減らされるという経済予測から、原油の価格が下がりました。それが、図8の2020年の原油価格が急低下した推移です。

しかし、その後コロナも落ち着きを取り戻し、経済活動が再び活発になるとの予想から、原油の需要が増えるだろうという市場の予測から、原油価格の上昇が始まりました。
図8の2021年に入ってからの原油価格上昇の推移がそれを表しています。

このように、全世界的に何か事件があり、それが経済活動を鈍らせると市場が判断すると、原油の需要も低くなると評価され、原油価格が下落します。
逆の予想、原油の需要が増える、のときは、原油価格は上昇します。

  1. 原油生産国での争い、特に世界上位を占める生産国で紛争があると、原油生産が一時的でも停止すること。

例えば、2022年2月にウクライナに侵攻したロシアに対しての経済制裁で、ロシア産原油の供給不安が高まったことで、ロシアの原油産出量は世界の20%程度あるため、原油不足の懸念が広がり、原油価格高騰が始まりました。

ここで疑問が出ます。 ロシアの原油がなくなるとすれば、他の産油国に増産を要請して、原油の需給バランスを取ればよいのではないか、ということがあります。

しかし、産油国も増産要請に対してすぐに応じることはできません。その理由は、

  1. せっかく高くなった原油を、増産すれば、安くなってしまうので、できれば今の価格を維持したい。
  2. もし増産に応じた場合、増産後すぐに紛争が終わってしまい、再び原油の輸出が始まれば、せっかく高い価格を維持した原油価格が、下がってしまい、損をすることになる。

このように、世界情勢から、各国の思わくや利害関係があって、増産に応じても初めのうちは需要に追い付かず、原油価格の高騰の歯止めにはならないのではないでしょうか。

まとめ

原油の価格、それに伴う電力料金の増減について概要をこのコラムでは述べてきました。
株式投資でもしていれば、市場の変化や世の中の出来事で、原油価格がどう動き、電気料金がどう動くかを予想でき、損をしない立ち回りも可能でしょう。

しかし、それらの仕組みは理解できたとしても、一般家計を預かる人にとっては、どうすることもできません。ただ、世界情勢のニュースから、電気料金が変わるだろうという予測はできるでしょう。
電気料金が上がるのであれば、上がった分だけ節約や電気を小まめに消すなどを行い、請求される電気料金をいつもより安くすることぐらいはできるでしょう。
そのように暮らしているうちに、世界情勢や市場が安定してくれば、自然に電気の価格や、モノの価格も落ち着いて、電気も通常の使った分だけ料金が取られるという時がやってくるでしょう。

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