プロパンガスの供給方法は都市ガスとは大きく異なっています。また、同じプロパンガスであっても個別プロパン・集中プロパンと言って供給方法に違いがあります。もちろん供給方法が変われば会社も変わり値段も変わってきます。また、プロパンガスは自由料金なので、不当に高額な金額にならにように、しっかりと理解しましょう。
個別プロパンと集中プロパン
個別プロパンとは
冒頭でもお伝えした通り、プロパンガスには大きく分けて個別プロパンと集中プロパン(集中供給方式)の2つがあります。
みなさんはプロパンガスと聞くと何を思い出すでしょうか。プロパンガスと言えばやはり町や住宅街でよく見かけるプロパンガスのボンベではないでしょうか。そうです、そのボンベで各家庭へ供給されているプロパンガスが個別プロパンと呼ばれています。
個別プロパンはプロパンガスの供給形態の中でもっとも一般的な供給方法です。
ガス事業者がガスをボンベへ充填し各家庭へ運び、各家庭にボンベを設置して供給しています。
使用量は各家庭に設置されたガスメーターによってカウントされています。
個別供給システム
個別プロパンは一般的な利用が少ない家庭などに供給されていて、その小口の需要家への供給システムは個別供給システムと導管供給システムがあります。
個別供給システムとは一般のわたしたちにとってもっともポピュラーな供給システムです。
各家庭それぞれにボンベによって供給するシステムです。使用量については、各ボンベに設置してあるメーターによって計測されています。
集中プロパンとは
一方、集中プロパン(集中供給方式)とはどういうものなのでしょうか。個別と集中という違いですから、個人と集団?以下みていきましょう。
集中プロパンとは、その名の通り、小規模~大規模まで利用するプロパンガスを一ヶ所にまとめて貯蔵・利用する形態のことを指しています。個別プロパンは一般家庭などで多くみられる方法ですが集中プロパンとは、まとまった一戸建てや集合住宅、さらには工場など事業者への供給方法などが主な供給先となっています。
この集中プロパンは一個口の需要家へ供給するわけではないので、「導管供給システム」として、導管を通して需要家へ供給されます。導管と言えば「都市ガス」も導管を介して供給されていますが、導管供給の集中プロパンには、小規模導管供給と簡易ガス供給と2つあり、法律上区別されていまので、そちらも詳しくみてみましょう。
導管供給システム
個別供給とは違い導管によって供給するシステムも存在しています。都市ガスは精製された液化天然ガスを需要家まで地面に埋まっている導管によって供給しています。同じように、プロパンにおいても地面に埋まった導管によって供給するシステムを採用している場合があります。つづいて小口需要家でも個別供給システムではなく導管によって供給している仕組みをみてみましょう。
小規模導管供給
70戸未満
小規模導管供給とは、小規模の団地やマンション、アパートに供給するシステムです。小規模とは70戸未満であり、「液化石油ガス法」が適用されます。
正式名称は、”液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律”と言います。
一般消費者等に対する液化石油ガスの販売、液化石油ガス器具等の製造及び販売等を規制する法律です。
簡易ガス供給
70戸以上
70戸以上の大規模なマンションや団地などで採用されているシステムです。70戸以上の大規模な供給の場合は簡易ガス事業となります。近くにガス発生設備を設置し供給します。
LPGボンベと気化装置から構成されています。
- LPG貯蔵タンク
- 電気温水式ペーパーライザー
バルク供給システム
続いてバルク供給システムです。小規模導管供給や簡易ガス供給よりもより大規模な供給をする場合に採用されているシステムです。工場や鉄工所、大規模な団地などに供給することに適しています。そもそもバルクとはいったい何でしょうか。
大型のタンクのようなバルク貯槽にLPガスを充填しそれぞれの需要家や大規模工場などにLPガスを供給します。バルクとは「一括・大量」といった意味合いで、たくさんのガスを1つにまとめて貯蔵するということからバルク供給といいます。
上記のようにバルクと呼ばれる大きなタンクに液化したプロパンガスを充填し利用します。1997年(平成9年)に法改正したことにより、工場や鉄工所だけでなく、小口の一般家庭への供給にも利用できるようになりました。「新バルク供給システム」と呼ばれています。
このバルクへはバルクローリーと呼ばれる専用の配送用ローリー車を使って運び充填します。
新バルク供給システム
新バルク供給システムの最大のメリットは、各家庭にボンベを配ることなく一括管理できることにより、配送や回収の手間が大幅に省くことができるため料金が安くなることでしょう。安定供給にもつながります。
バルク貯槽
上記の説明のように中規模~大規模な利用に対してはバルクでの供給が良いことがわかりました。バルクはまとめて供給するのに適しています。そしてその貯蔵するタンクには2つの種類があります。
地上と地下
バルク貯蔵には地上に設置したバルクと地下に埋設したバルクが存在しています。地下式は、そもそも集中供給によってまとめられたガスをさらに地下に埋設するため、より多くのスペースを確保できるというメリットがあります。
集中プロパン4大メリット!
①安定性
集中プロパンは、バルク貯蔵のため小規模~中規模までの需要に柔軟に対応することができます!バルクという特性があるので各需要家へ安定的供給を実現できます。
また、設備自体もそれほど大げさなものではないため、新たな設置に関しても比較的簡単に対応できることがメリットです。
②安全性
地震感知器、ガス漏れ警報器、集中管理システム等によって集中的に管理しているため、安全性が安全性を確保することができます!
③外観
一見関係がないようにも思えるかもしれません。しかし、集中したバルクを1か所に設置するため外観を損なうことなく利用することが可能です。埋設する地下式であれば完全に外観を損ないません。
④価格
利用するにあたって、近くに小規模な設備を設置するため、そのための費用が安く抑えることができます。また、各家庭ごとにボンベを配送・入れ替えする必要がないためその分のコストをおさえるこができる場合もあります。
まとめ
プロパンガスには大きく分けて個別プロパンと集中プロパン(集中供給方式)の2つの方式があり、ボンベで各家庭へ供給されているプロパンガスが個別プロパンと呼ばれ、小規模~大規模まで利用するプロパンガスを一ヶ所にまとめて貯蔵・利用する形態を集中プロパンと言います。
個別プロパンは最も一般的なプロパンガス供給システムです。集中プロパンには、安定性、安全性、価格、外観などでメリットがあり、導管供給システムによって小規模(70戸未満)~大規模(70戸以上)のガス供給を担っています。
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