エコワン徹底解説!
暖房も含めた給湯器には、ガス、電気、灯油などいくつもの種類があります。
それぞれの種類ごとに、メリット・デメリットと価格差があり、どれを使うかは、住宅のライフスタイルに合った給湯器を選ぶことが、ベストでしょう。
そのような中で登場したのが、ハイブリッド給湯器(エコワンが代表)です。
この機種は、エコキュートのデメリットを解消するとともに、優れたランニングコストが魅力の1つでしょう。ただ、価格が高額という難点を除けばですが。
お湯をほとんど使わない人にとっては、魅力的ではありませんが、大家族でふんだんにお湯を使う家庭では、魅力ある商品の1つでしょう。
ただ、オール電化というようなライフスタイルに対し合わなければ、魅力もただの幻想となってしまいますが。
このコラムでは、エコワンについて解説します。もし、ライフスタイルに合うかもしれないという方には、注目すべき商品の1つになるかもしれません。

1.エコワンとハイブリッド給湯器は同じ
エコワンは、給湯メーカー リンナイの製品名です。一般的には、ハイブリッド給湯器と言います。ただし、現時点でハイブリッド給湯器を国内で製作している会社は、リンナイとノーリツの2社です。
給湯メーカー ノーリツは、ハイブリッド給湯器と言っています。
また、国内でハイブリッド給湯器をインターネットでの販売するときの呼び方も、2つの呼び方を使っています。しかし、メーカーでは、リンナイはエコワンかハイブリッド給湯器、ノーリツはハイブリッド給湯器と言っています。
本コラムでは、エコワンの呼称を使いますが、場合ごとにハイブリッド給湯器も使います。
コラムを読まれる方は、どちらの呼称でも、同じ意味ととらえて下さい。
(1)エコワンの仕組み
給湯器には、電気でお湯を沸かすエコキュートと、ガスでお湯を沸かすエコジョーズという、燃焼効率の高い給湯器があります。
エコワンは、それらの2つの給湯器を組合せた給湯器です。
エコキュートと同様に、ヒートポンプで発生させた熱で、給水をお湯にしてタンクに貯湯します。
エコワンのヒートポンプのエネルギー効率は、157%という高効率で運転できるため、例えば電気料19円/1kWhの電気を1kwhを使った時には、12円で済むという計算になります。
エコキュートではタンクの容量が460リットルあって放熱によるエネルギーの無駄がありましたが、エコワンのタンク容量は50~160リットルで、放熱の無駄をなくしています。
エコワンの給湯の仕組みは、タンクに貯湯するお湯で風呂はりなどを行い、足りないお湯や、急なお湯が必要な分をエコジョーズで給湯させます。
エコワンは、給湯と床暖房などの温水暖房にお湯を供給する役目もあります。
(2)エコワンの暖房機能
床暖房の立ち上がりには部屋を早く暖めるためにエコジョーズで給湯し、部屋が暖まってから、ヒートポンプで作ったお湯で床暖房の温度を維持します。
浴室暖房乾燥機のような暖房では、エコワンからの暖房高温用のお湯は、エコジョーズで作って供給します。
(3)エコワンの構造と原理
図1では、エコワンの原理と構造についてご紹介します。
エコワンは、大きく3つのユニットに分けられます。
- 外から空気を取り込み、空気の熱を冷媒と熱交換し、冷媒温度を上げます。
- 温度の上がった冷媒は、圧縮機で加圧されてさらに温度が上がり、熱交換器で水に熱を与えてお湯を作ります。
- 冷媒は循環して同じことを繰り返し、お湯を作ります。
- また、冷媒は最新のものを用いているため、給湯器を高効率で運転できます。
- 貯湯タンクの容量は、100~160リットルあり、家族構成などで使う量に応じて選べます。
- 通常のお風呂や洗面、炊事で使うお湯は、貯湯タンクに貯めたお湯を使います。
- 95%という高効率型ガス給湯器が、エコジョーズです。
- ガスはプロパンガス、都市ガスから選べます。
- 貯湯タンクでお湯を使っている時、さらにお湯を必要としたときに使います。
- 床暖房の立ち上げ時のような、急激に給湯が必要なときに効果的です。
(4) エコワンの設置イメージ
図2では、エコワンを一戸建てに設置したときのイメージ図を紹介します。
- エコワンの設置は、ほぼエコキュートと同じような設置で、そのためのスペース確保が必要ですが、次の点が異なります。
- 貯湯タンクの容量が100~160リットルと小さくなったことから、タンクサイズが小さくなり、設置スペースは少なくて済みます。
- プロパンガス又は都市ガスの配管の敷設と接続工事が必要です。
- 床暖房などの暖房を使うときは、必要な配管敷設と接続が必要です。
(5) エコワンの種類
エコワンには、2つの型式があります。
ダブルハイブリッド(給湯&暖房型)
給湯に加えて床暖房もガスと電気のハイブリッド運転を行います。
低温で使用する床暖房には電気を使います。浴室暖房乾燥機など高温の器具はガスで暖房運転します。床暖房の使い始めなどはエコジョーズですばやく部屋を暖め、定常時はヒートポンプでお湯を循環して室温を保ちます。
シングルハイブリッド(給湯&暖房型)
暖房と給湯でガスと電気の両方を使用します。 暖房運転はガス(エコジョーズ)で行います。
シングルハイブリッド(給湯型)
暖房は電気だけ。 給湯のみ、ガスと電気を使用します。
それぞれ、タンク容量160リットル、140リットル、100リットル、50リットルの種類があります。
2.エコワンに掛かるお金
(1) エコワンの価格比較
(A)前提
エコワン本体の価格について、メーカー、ネット販売の価格について、タンクサイズ100リットル以下、と100リットル以上の2つのサイズを、ダブルハイブリッド(給湯&暖房型)、シングルハイブリッド(給湯型&暖房型)、シングルハイブリッド(給湯型)、それぞれについて紹介します。
なお、メーカーの価格は、最新モデルの定価価格ですが、ネット販売の価格は、定価の数十%引きという販売方法が多く見られます。
シングルハイブリッド(給湯型)(サイズ100リットル以下)
販売元 | メーカー名 | 価格 | 備考 |
メーカー | リンナイ | ¥730,000 | 屋外据付け型 リモコン別(56,000円) タンク 容量100ℓ 24号フルオート型 |
ノーリツ | – | – | |
ネット販売 | 楽天 | ¥504,368 | リンナイ製 リモコン付属 100ℓ 24号フルオート 工事と据付け部材費用は別 |
湯ドクター | ¥442,530 | リンナイ製 100ℓ 標準リモコン・部材付き 工事費別50ℓ リモコン・部材付き 工事別 |
|
住設 | ¥458,517 | リンナイ製 100ℓ リモコンセット付属 専用オプション部材別売 工事別(工事含む場合は+90,000円) |
シングルハイブリッド(給湯型)(サイズ101リットル以上)
販売元 | メーカー名 | 価格 | 備考 |
メーカー | リンナイ | ¥770,000 | 屋外据付け型 リモコン別(56,000円) タンク容量160ℓ 24号フルオート型 |
ノーリツ | – | – | |
ネット販売 | 楽天 | ¥530,995 | リンナイ製 リモコン付属 160ℓ 24号フルオート 工事と据付け部材費用は別 |
湯ドクター | ¥458,198 | ノーリツ製 標準リモコン・部材付き 工事費別 |
|
住設 | ¥453,355 | ノーリツ製 140ℓ リモコンセット付属 専用オプション部材別売 工事別(工事含む場合は+90,000円) |
シングルハイブリッド(給湯&暖房型)(サイズ100リットル以下)
販売元 | メーカー名 | 価格 | 備考 |
メーカー | リンナイ | ¥790,000 | 屋外据付け型 暖房12,000kcal/h(14kW) リモコン別(56,000円) タンク容量100ℓ 24号フルオート型 |
ノーリツ | – | – | |
ネット販売 | 楽天 | ¥530,702 | 屋外据付け型 暖房力11.6kW リモコン付属 タンク容量100ℓ 24号フルオート型 工事と据付け部材費用は別 |
湯ドクター | ¥465,410 | リンナイ製 100ℓ 標準リモコン・部材付き 工事費別 |
|
住設 | ¥494,427 | リンナイ製 100ℓ 14.0kW リモコンセット付属 専用オプション部材別売 工事別(工事含む場合は+90,000円) |
シングルハイブリッド(給湯&暖房型)(サイズ101リットル以上)
販売元 | メーカー名 | 価格 | 備考 |
メーカー | リンナイ | ¥830,000 | 屋外据付け型 暖房12,000kcal/h(14kW) リモコン別(56,000円) タンク容量160ℓ 24号フル |
ノーリツ | – | – | |
ネット販売 | 楽天 | ¥557,329 | 屋外据付け型 暖房力11.6kW リモコン付属 タンク容量160ℓ 24号フルオート型 工事と据付け部材費用は別 |
湯ドクター | ¥528,330 | リンナイ製 100ℓ 標準リモコン・部材付き 工事費別 |
|
住設 | ¥518,633 | リンナイ製 160ℓ 14.0kW リモコンセット付属 専用オプション部材別売 工事別(工事含む場合は+90,000円) |
ダブルハイブリッド(給湯&暖房型)(サイズ100リットル以下)
販売元 | メーカー名 | 価格 | 備考 |
メーカー | リンナイ | – | – |
ノーリツ | – | – | |
ネット販売 | 楽天 | – | – |
湯ドクター | – | – | |
住設 | – | – |
※このサイズはメーカーでの販売もありませんが、ハイブリッド製作当初から製作されていないのかデータが見つかりません。もし、販売されていれば、ネット販売で安く手に入る可能性があります。
ダブルハイブリッド(給湯&暖房型)(サイズ101リットル以上)
販売元 | メーカー名 | 価格 | 備考 |
メーカー | リンナイ | ¥928,000 | 屋外据付け型 暖房に力12,000kcal/h(14kW) リモコン別(56,000円) タンク容量160ℓ 24号フルオート型 |
ノーリツ | ¥872,600 | 屋外据付け型 タンク容量140L マルチリモコン含む |
|
ネット販売 | 楽天 | ¥635,014 | 屋外据付け型 暖房力14.0kW リモコン付属 タンク容量160ℓ 24号フルオート型 工事と据付け部材費用は別 |
湯ドクター | ¥500,438 | ノーリツ製 マルチリモコン・部材付き 工事費別 |
|
住設 | ¥577,286 | リンナイ製 160ℓ 14.0kW リモコンセット付属 専用オプション部材別売 工事別(工事含む場合は+90,000円) |
(2) エコワンの工事費用
ECO ONE(エコワン)の工事費用について
表のハイブリッド給湯器販売会社のほとんどが、工事費用は別途となって、工事とのセット販売はありません。住設だけが工事を含む場合は90,000円加算されます。これは基本取替え工事費です。
住設も別途見積りを取ることを勧めています。これは、住宅状況によって、基本工事費に対し、さらに追加費用が出るということでしょう。
エコワンの工事費用が別途となっている理由は、既存機器の状況、基礎の有無、設置スペース、電気配線の状況などによって、工事費用が大きく変動してくるからです。
特に大きな問題が無い場合、給湯・暖房タイプのエコワンの工事費用は、おおよそ150,000円~200,000円程度になります。
エコワンを設置する場合には、次の点に注意して工事の見積もりをチェックすべきです。
- 設置場所の確認
通常の外付けガス給湯器よりも設置スペースが必要です。 - 基礎の確認
エコワン貯湯タンクの基礎工事の必要があります。(50ℓ タンクでは不要です) - 奥行スペースの確保
ヒートポンプ設置には、奥行き550mm以上の設置スペースが必要です。 - 電源の確保
2口以上で合計20A以上の電流が必要です。
ただし、リンナイの「プラグインローボーイ」型エコワンは、家庭用の防水コンセントから供給できます。 - 他に、運搬費用、試運転調整費用などが必要です。住宅が密集して狭いなどの住宅状況によっては、運搬が簡単にいかず、追加費用が発生する場合もあります。
(3) エコワンのランニングコスト
エコワンのランニングコストは、ガスと電気を使う割合が必要で、簡単に計算できません。
リンナイの下記のページで、シミュレーションがあるため、その結果を見てみましょう。
(https://rinnai.jp/ecoone/simulation/)
前提として、東京都の23区以外の一戸てで、4人家族とします。また、温水暖房が有りとします。
プロパンガス使用 | |||
従来型ガス給湯器 | 月 | 電気代 | 8,392円 |
ガス代 | 20,150円 | ||
年間合計 | 342,500円 | ||
エコワン | 月 | 電気代 | 12,017円 |
ガス代 | 8,792円 | ||
年間合計 | 249,700円 |
都市ガス | |||
従来型ガス給湯器 | 月 | 電気代 | 8,392円 |
ガス代 | 11,992円 | ||
年間合計 | 244,600円 | ||
エコワン | 月 | 電気代 | 12,017円 |
ガス代 | 5,083円 | ||
年間合計 | 205,200円 |
このシミュレーションから、従来のガス給湯器とエコワンの違いとして言えることは、
- エコワンのランニングコストが一番小さい
- プロパンガスでは、年間に約100,000円(月平均で8,300円)の差がある。
- 都市ガスでは、年間に約45,000円(月平均で3,750円)の差がある。
3.エコジョーズのメリット・デメリット
前章の区分に従った給湯器の価格表を以下に紹介します。
(1)メリット
- 光熱費が他の給湯器に比べ大幅に節約できる。
- 特にプロパンガスを使っている時は、効果が大きい。
- エコキュートのように貯湯タンクによる熱損失が少ない。
- 停電時でも給湯ができます。ただし、オプション品を用意している場合です。
(2)デメリット
- 導入費用が他の給湯器に比べ非常に高い。
- 都市ガスでは、節約効果が少ない。
- 電気とガスの2種類の維持が必要で、維持費が他の給湯器に比べかかる。
(3) その他
(a) 騒音
消費者庁から公表された報告書では、給湯器のうち、エコキュート、エネファーム、エコウィルの3種類が、低周波音被害の可能性があるということです。話合いなどでの解決ができないと、公的手続きもあるということです。
エコワン(ハイブリッド給湯器)は対象になっていないため、騒音問題に関しては安心して使えます。
(b) 寿命
エコワンの耐用年数は、通常の給湯器と同じくらいで、約10年です。
エコワンはガスとヒートポンプのハイブリッド給湯器ですので、それぞれの運転
時間は、10年間動き続けるということがなく、もう少し耐用年数は長くなるでしょう。
ただし、エコワンが製造された年代によっては、故障部品の手配ができないなども考えられます。
まとめ
リンナイの給湯器エコワンを見ると、第1世代が2011年に発売されました。
続いて、2012年に第2世代が発売され、熱効率125%を達成し、消費者も含め給湯器関係者の間では、注目の的となったことでしょう。
さらに、2015年には第3世代のエコワンが発売され、2017年には156%のエネルギー効率を達成し、ランニングコストの大幅な節減を達成しました。
2018年に設置に基礎がいるなどで工事費もかさんだエコワンに対して、取替専用のエコワンのLOWBOYモデルを発売し、タンク基礎が不要で屋外コンセントから電源が取れるなど、設置上の問題を改善したモデルが登場しています。
このように、ユーザーにとって使いやすくなったエコワンは、給湯器としてユーザーに受け入れやすいようにユーザーの声に耳を傾けた結果、より良いものができたということでしょう。
同じように、他の種類のどの給湯器も、ユーザーにとって使いやすさを目指していると思われます。
そのような進化する給湯器のうち、どの種類を選ぶかは、ユーザーのライフスタイルと、経済的にどれだけ有利かという観点からでしょう。
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